ネットのできる山奥の、小さな家屋を買い取って、
家の周りには好きな木や花を植え、
食糧は近くに田畑と、山からいくばくか。
風呂は近くの清水から水を引き、山から薪を拾ってはいる。
古今東西の興味のある本を集め、自室は万年床に、三方には本棚を。


春は花々の咲き乱れるを見つつ、
夏は蝉の鳴き声を聞き、
秋は枯れ葉を庭に積もらせつつ、
冬は雪の冷たさに気付かされる。


誰にも気付かれることなく世界を観察し、
本を読みつつ死を迎える。
その後、家屋の柱は腐り、屋根は落ち、土壁は土に還り、
木々草花はその上にも育ち、あたりは元の森に帰ってしまう。
そんな死を自分は迎えたい。